2014年1月2日木曜日

児童相談所と保護される子ども達の現状

児童相談所と保護される子ども達の現状

児童養護施設はもう満員

先日、児童相談所の職員の方とお話をする機会がありました。
次男が児童養護施設にお世話になっている関係で、面談をする機会があったりします。

その時、児童相談所に保護された子ども達の、養護先の決定までの流れなどについてお話を聞いたのですが

児童養護施設は今、子どもがいっぱいで、受け入れ先が中々見つからないという状況だそうです。

児童相談所に保護されてから

保護された子どもがどういった流れで養護先に行くのかも聞いてみたのですが、知らないことばかりで驚きました。

特にここに書いてまずいこともないと思うのでその時聞いたことをまとめると

  • 保護された子どもが一時的に暮らせる「一時保護施設」という施設が存在する
児童相談所に保護された後、すぐに児童養護施設に受け入れられるわけではなく、一時的に受け入れられる「一時保護施設」という施設があるそうです。
  • 一時保護施設にいられるのは基本的には2ヶ月間まで
この一時保護施設にいられるのは基本的には2ヶ月ほどで、その間に児童相談所の職員の方は保護した子どもの受け入れ先を探すそうです。
  • 一時保護施設はあくまで一時の保護なので、その間は学校などへは通えない
この一時保護施設にいる間は、学校などには通えないそうです。詳しい理由は聞いていませんが、複雑な事情で保護される子どもの事も考えると致し方ないことなのかなと思います。一部の問題のあるケースでは、親が無理に連れ帰ろうとしてしまうこともあるようで、事件に発展することもあるようです。

ただこの辺りは非常に複雑で、誤解から保護された場合だとか、親が離婚している場合など、一筋縄ではいかない問題もあるようです。

色々なケースがあるようですが、まだ勉強不足なのでこの点に関する是非は私には今のところ判断できません。

  • 一時保護施設の職員が先生代わりになって子ども達の勉強を見たりしている
この間の子どもの勉強はどうするのかというと、職員が先生代わりになって教えたりするようです。

  • 2ヶ月の間に擁護先の施設を探す
一時保護施設にいる間に、受け入れ先を探すということだったのですが、受け入れ先を見つけるのは大分大変なことのようです。
  • 擁護先は児童養護施設の他に里親など、方々宛を探し回る
児童養護施設に限らず、里親なども、考えられる受け入れ先には全てあたるらしいのですが、それでもどこも満員で受け入れ先がなかなか見つからないというのが最近の状況だそうです。
  • 県内では受け入れ先がどこもいっぱいで、県外の受け入れ先まであたってやっと、ということもしばしば
本当は、県内で受け入れ先が見つかるのが一番だということですが、現実はそうもいかず、県外の施設などもあたってやっと見つかるか、それでも見つからないというのが現状らしいです。
将来的には親元に返すパターンもあるようですし、両親の面会などにも、県外では不便になるようなのですが、それでも県内がいっぱいということが多いそうです。


児童養護施設も、施設の従業員の成り手も不足している

この現状が、特定の自治体固有の問題とは思えないので、おそらく全国的に需要と供給のバランスが崩れてしまっているのだろうと思います。

その背景には、近年の虐待件数の増加があるのではないかと思います。
ここ数年、世間の注目が集まったことから、通報件数が増加したこともあり、虐待の件数が増加傾向にあるというデータを何処かで見ました。

つまり、要保護児童の数が急激に増えてしまい、受入先の不足を招いてしまっているのだと思います。

子どもを受け入れるわけですから、すぐに増やせるような施設でもないし、従業員の成り手も誰でも構わないということではないでしょうから、需要に応えて受け入れ態勢を整えるのも、おそらく時間を要することだろうと思います。

里親に関しても、子どもを受け入れるまでには様々な手続きが必要だということを何処かで見ました。
こちらも子どもを託すわけなのでそれなりの手続きが必要となるのは自然なことだとは思いますが、どうやら里親になりたい夫婦も、受け入れ先を探している子どもも存在するのに、手続きの問題などでマッチングが進まない、というような現状もあるようです。

まずは問題の認識をすることが大切

どんな難しい問題も、まずはその問題、現実を正しく理解することからしか解決に進まないと思います。
児童相談所、児童養護施設、要保護児童の問題というのは、一般の人からすると普段あまり意識をしない「遠い問題」かもしれないのですが、当事者の子ども達にとっては非常に重大な課題だと思います。
まずより多くの人がこの問題を認識することが必要なのだろうなと思います。


2 件のコメント :

  1. はじめまして、Twitterみてこちらへ来ました。うちは児相→一時保護施設→児童自立支援施設へお世話になった経験があります。
    概ね、こちらのブログに書かれている通りです。
    問題の認識と仰っているのは、
    一つは児相担当者一人当たりに対するの負担過多と要保護となる児童の性質が(虐待が大半である事など)変化してきている事。
    二つめは施設など環境面での対応が遅れている事でしょうか。
    施設や職員を増やすのか、それとも問題の根源である虐待などを防止するのが先なのか。どちらも同時に行ってほしい所ですが・・・難しいですね。

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    1. コメントありがとうございます。

      今起こっている問題について知る人が増えれば、問題解決のアイディアが出てくるかもしれないですし、何か行動を起こすのにも、多くの人々の協力が得られた方が良いと思っています。

      仰っているような問題ももちろんあると思いますし、
      他にもいろいろとあるのだろうなと思います(私もまだ職員の方に一度聞いただけなので、もっと深い問題もあるかもしれないです)

      虐待の原因も、一番多いのは親が経済的に追い込まれることであるようだということも、以前「日本の学童ほいく」という冊子に書かれていました。
      日本の経済が貧富の差を解決できないことも原因となっているとすると、そういった貧困層の親に対するセーフティーネットの構築も虐待の防止には必要なのかもしれません。

      正直本当に大きな問題で、私のような人間には何もできないかもしれないなーとも思うのですが、文字にすることで目に留めてもらうことだけでも意味があるかもしれないと思って書いています。

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