2014年1月4日土曜日

「社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた」を読んで、感じたこと…「日本の『中』で困っている人」を救うことの難しさ

「社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた」を読んで、感じたこと…「日本の『中』で困っている人」を救うことの難しさ

困っていることがわかりにくい時、どうしたらいいのだろう

「社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた   マッキンゼーでは気づけなかった世界を動かすビジネスモデル「Winの累乗」 TABLE FOR TWO International 代表理事 小暮真久 氏 著」
TABLE FOR TWO という、世界の食の不均衡是正に向けた取り組みがあるそうです。
日本で、カロリーと栄養バランスに気を配った「TFTヘルシーメニュー」を注文すると、その料金には20円の寄付金が上乗せされており、アフリカの学校給食の提供のために寄付されるという仕組み。

この世界的に大きなうねりになっていて、成功をおさめているTABLE FOR TWO という取り組みを通して著者がつかんだ

「Winの累乗」という戦略(ビジネスモデル)
について、他の取り組み、NPOの活動の紹介や、わかりやすいフィクションの物語も交えて解説されていました。
どれも素晴らしい活動だと思ったし、その戦略も理にかなっていて非常に勉強になったのですが、

どの活動も、その活動の対象は「困っていること」が一目で分かるような対象でした。

困っていることがすぐにわかるというのは、助けを求めたり支援を募ったりしやすいですし、理解もされやすいと思うのですが、「困っている」ことが周りから見て分かりにくかったり、ともすれば「甘え」とも取られかねないようなケースもあると思うのですが、そういう場合、この戦略だけでは解決できないのではないかということも感じてしまいました。

心が生きられなくなる社会、日本

食料が不足している、インフラが整備されていない、教育が充実していない、
主に紹介されていた取り組みはこういった課題に対しての取り組みだったのですが、
こうした課題の場合不足しているものをいかに届けるか、を構築していく流れになると思います。
また、東日本大震災の際の支援に関しても、不足しているものを的確に把握し、迅速に届けるというのが重要な要素だったと思います。

発展途上国などでの課題に対して、非常に大きな効果をもたらすのだろうなと思いつつ、

日本という、「恵まれている」とされている社会の中で、置き去りにされてしまった時、この仕組みでは救いきれないのではないか?

そんな感想を抱いてしまいました。
日本という国は、物価も高いですし、教育にかかる費用も高いです。医療費もそれなりにかかりますし
そんな中で、

十分な教育が受けられない環境に置かれてしまったら

収入を得る手段を奪われてしまったら

精神を病んでしまったら

そういったマイノリティになってしまうと、日本という国は途端に生き辛い社会に変貌してしまうと思うのです。
その中で、それでも必死に生きようとしても、心がついてこない。
日本の自殺者数が多いのは、そういった社会の歪みが現れているのではないかと思ってしまいます。

日本という国の中で、マイノリティになってしまった人々を、どういう仕組みで救うのか

今回この『社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた』を読んで、自分が何かしたい対象というのはやっぱり日本の中のマイノリティ、弱者なんだろうなと感じました。
その戦略はまだ見えていないですし、問題の全容すら把握できていないような現状だとは思いますが・・・

児童養護施設の子どもたちだとか、
精神を病んでしまった人だとか、
虐待の被害を受けてしまった方だとか

身近にも、そういう人がいたりするとやはり、そういう人たちがどうしたら救われるのかというのを日々考えてしまったりします。

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